
他の人の何倍ものお酒を飲んでも平気な「酒豪(しゅごう)」。
お酒の弱い人が多いイメージの日本、実はもともと酒豪民族だった!?
酒豪と言われる人の体はどのようになっているのか?酒豪タイプのアルコール分解の仕組みと健康リスクについてご紹介します。
酒豪は親譲り
お酒の強さにかかわるアルコール分解力は、遺伝子で決まります。
アルコールは体内で「アセトアルデヒド」という有害物質になり、これが酔いの原因になります。お酒に強い「酒豪タイプ」の人は、アセトアルデヒドを分解し無害化する力があります。
「酒豪」「呑兵衛(のんべえ)」と言われるようなタイプの人は、遺伝的にお酒に強い体を持っているのです!
両親から受け継ぐ体質なので、家族そろって酒豪揃いということも珍しくありません。
酒豪タイプが多いのは何県?
南北に行くほど酒豪が多い
「~出身はお酒に強い」という具合に、なんとなくお酒が強そうな都道府県のイメージがあると思います。
約300人に聞いた「酒豪が多そうな都道府県」イメージ調査では、以下のような結果が出ました。(%は得票割合)
- 1位 沖縄県 22.0%
- 2位 高知県 16.1%
- 3位 鹿児島県 13.5%
- 4位 秋田県 11.2%
- 5位 青森県 8.9%
この「酒豪イメージ」、実は遺伝子のタイプで見た酒豪の分布とかなり近いのです。(全国5,000人以上を調査)
順位 | 都道府県名 | 酒豪遺伝子を持つ人の割合(%) |
---|---|---|
1 | 秋田 | 76.7 |
2 | 岩手 | 71.4 |
2 | 鹿児島 | 71.4 |
4 | 福島 | 70.4 |
5 | 埼玉 | 65.4 |
6 | 山形 | 65.1 |
7 | 北海道 | 64.8 |
7 | 沖縄 | 64.8 |
9 | 熊本 | 64.3 |
10 | 高知 | 64.0 |
11 | 千葉 | 63.4 |
12 | 青森 | 63.2 |
12 | 宮城 | 63.2 |
14 | 新潟 | 62.4 |
15 | 神奈川 | 61.9 |
16 | 香川 | 61.6 |
17 | 大分 | 60.2 |
17 | 宮崎 | 60.2 |
19 | 東京 | 60.0 |
20 | 栃木 | 59.8 |
21 | 茨城 | 59.3 |
21 | 山梨 | 59.3 |
23 | 長野 | 58.5 |
23 | 福井 | 58.5 |
23 | 鳥取 | 58.5 |
23 | 島根 | 58.5 |
23 | 愛媛 | 58.5 |
28 | 兵庫 | 57.8 |
28 | 福岡 | 57.8 |
30 | 静岡 | 57.2 |
31 | 山口 | 56.3 |
31 | 佐賀 | 56.3 |
31 | 長崎 | 56.3 |
34 | 徳島 | 56.0 |
35 | 滋賀 | 55.8 |
36 | 京都 | 55.5 |
37 | 群馬 | 54.8 |
37 | 富山 | 54.8 |
39 | 岡山 | 53.8 |
40 | 奈良 | 53.3 |
41 | 大阪 | 53.0 |
42 | 広島 | 52.4 |
43 | 和歌山 | 49.7 |
44 | 岐阜 | 47.6 |
45 | 石川 | 45.7 |
46 | 愛知 | 41.4 |
47 | 三重 | 39.7 |
北海道・東北・九州・沖縄などの南北に位置する都道府県ほど、お酒に強い「酒豪遺伝子」をもつ人が多く、日本の中心に近いと弱くなることがわかります。
この分布には、日本人の起源が関係していると考えられています。
もともと日本人はお酒に強かった!?
日本に住んでいた「縄文人」は、お酒に強い遺伝子を持っていたと言われています。
世界的に見ると、お酒に弱い遺伝子をもつ人は日本人や中国人などのモンゴロイド人種だけと判明しています。
もともと人類はお酒に強く、遺伝子の変異でお酒に弱い体質になったモンゴロイドが、お酒に弱い体質の起源と言われています。
縄文時代末期、海外から近畿、中部に移り住んだモンゴロイドによって、お酒に弱い遺伝子がもたらされたのです。
酒豪タイプの要注意な病気
痛風リスクは2倍以上!
「風が吹いても痛い」と言われるほどの激しい関節炎発作を起こす「痛風」。 関節痛だけでなく、高血圧症や心疾患、脳血管障害などのリスクにもなります。
痛風は食生活の欧米化や肥満が要因と考えられてきましたが、お酒の強さにかかわる遺伝子(ALDH2)も関係していると判明しています。
ALDH2によってお酒に強いタイプの人は、そうでない人の2.27倍「痛風」にかかりやすいのです!
- 痛風
- 尿酸が体に溜まり、結晶化して関節炎を伴う病気。血液の尿酸値が高い状態「高尿酸血症」を放置しておくと、痛風が発症する。 尿酸は、体内でアルコールを分解する際に発生。お酒に含まれる「プリン体」が尿酸の元となる。(プリン体は筋肉を動かす元になるため、まったく不要な物質とはいえない)
酒豪タイプはお酒を飲まなくても痛風になりやすい
「酒豪タイプはお酒をたくさん飲むから痛風になるのでは」と思われるかもしれません。
酒豪タイプの遺伝子をもつ人は、そうでない人と同じ生活習慣でも痛風になりやすいのです。
自分はどんだけ飲んでも大丈夫!…という酒豪タイプのあなた。 楽しく飲むのは良いことですが、痛い病気が発症してしまう前に、普段の飲酒量を控えるように心がけましょう。
お酒の強さが分かる遺伝子検査キット
お酒の強さは遺伝子検査キットで簡単にわかります。
とくに「GeneLife Genesis2.0(ジーンライフ ジェネシス)」では、「お酒の強さ」に加えて「痛風」のかかりやすさもわかります。

アルコール代謝タイプと病気のリスクを知り、自分に合った健康的な飲酒を心がけましょう!

GeneLife Genesis 2.0 Plus(ジーンライフ ジェネシス プラス)
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