肺水腫・脳浮腫の危険もある高山病(高度障害)にかかわる4つの遺伝子

雪山を登山する人々

登山などで高い場所へ行ったときに起こる高山病。息切れなどの軽い症状から、高所肺水腫や高所脳浮腫といった命の危険にかかわる症状まであります。

高山病は誰にでも発症する可能性があり、発症しやすさには遺伝子がかかわっていることがわかっています。
高山病の症状と原因、関連遺伝子と予防方法をご紹介します。

高山病の発症しやすさには遺伝子が関係している

高山病とは

高山病は、酸素が不足することで起こるさまざまな失調(症候群)のことです。高山病と聞くと山登りのイメージですが、山でなくとも標高の高い場所であれば発症する可能性があります。

熱射病や日射病が状況ではなく病態を表すよう「熱中症」と変更されたように、高山病も「高度障害」と呼ばれます。

頭痛、吐き気、めまい、食欲不振、手足のむくみ、心悸亢進(しんきこうしん、脈拍が速くなる)などの症状が現れます。悪化すると高所肺水腫や高所脳浮腫といった病気に発展する危険もあります。

高山病の発症しやすさには個人差があり、実際に高所に行かなければわかりませんでした。しかし現在では高山病にかかわる遺伝子が見つかっており、発症しやすいかどうか知っておくことができます。

高山病の症状

高山病は、山酔い、高地肺水腫、高地脳浮腫、という3種類の症候群に分けられます。

山酔い
一番よく見られる症状で、1,200~1,800m程度の高度でも発症し、2,700m以上の高さに急に登るとよく起きます。
二日酔いに似た症状で、頭痛や倦怠感(だるさ、疲れ)があり食欲が無く、吐き気や嘔吐することもあります。
症状が現れるのは遅く、高地到着後6~12時間後に起こり始めます。
高地肺水腫
山酔いと合併することが多いですが、単独で発症することもあります。
呼吸困難、せき、歩行困難、胸の締め付け、頻脈(脈拍が速くなる)といった症状が現れます。
高地脳浮腫
山酔いが激しくなったものです。倦怠感が強くなり、日時や場所がわからなくなる見当識障害が起こります。まっすぐ歩くこともできなくなってきます。
放置しておくと、昏睡から死に至る危険性があります。
心筋梗塞・脳梗塞にも注意
高山病には含まれないものの、高所では脱水症状や血液の粘性が上がることによる血栓(血管の詰まり)が起こりやすく、心筋梗塞や脳梗塞のリスクも上がるといわれています。水分補給を欠かさないように気を付けましょう。

高山病の原因

標高が高くなるにつれて気圧が下がります。気圧が低いと空気の濃度が薄いということであり、人間の活動に必要な酸素も少ないということです。
脳は人体の酸素消費量全体の20~25%を占めているといわれており、酸素が不足すると記憶力や集中力に障害が現れます。これが高山病の元です。

標高1,800~2,500mを越える地域へ行くと、高山病を発症する可能性があります。参考としては富士山の五合目が2,300m、頂上が3,776mです。
高齢者は、標高1,500mから高所と考える必要があります。

高山病は訓練で克服できるものではない

高山病は体を鍛えれば克服できそうなイメージがあるかもしれませんが、実際は慣れやトレーニングで軽減できるものではありません。
高度に体を慣らすことはできますが、高山病自体を止めることはできないのです。

高山病にかかりやすいかどうかは生まれつきの体質によるところが大きいので、遺伝的にリスクの高い方はとくに注意が必要です。

高山病にかかわる4つの遺伝子

高山病の発症しやすさには、4つの遺伝子が関係しているとわかっています。

EPAS1
転写因子の一種を産生する遺伝子。酸素によって制御されている遺伝子群の発現を誘導する機能がある。
この遺伝子がAA型AG型の場合、高山病の遺伝的リスクが低い傾向にある。
NOS3
血管内皮型の一酸化窒素合成酵素を産生する遺伝子。
この遺伝子がTT型TG型の場合、高山病の遺伝的リスクが高い傾向にある。
ACE
アンジオテンシンという物質を活性型に変化させる酵素を産生する遺伝子。血管の収縮や膨張、血圧の制御に重要な役割をもっている。
この遺伝子がGG型GC型の場合、高山病の遺伝的リスクが高い傾向にある。
TIMP3
血管形成の阻害に関与するタンパク質を産生する遺伝子。
この遺伝子がTC型CC型の場合、高山病の遺伝的リスクが低い傾向にある。

高山病を予防するには

高山病を完全に防ぐことは難しく命の危険もありますが、病気の進行は遅いため、悪化を防ぐことは十分可能です。

高山病の初期症状が現れたら、それ以上高い場所に行かないようにしましょう。同じ高度で休んでいても悪化するようであれば、低い地点へ移動します。症状が出たら高度を上げず、悪化したら低い場所へ行くを心がけましょう。

とくに集団で登山をしており、まわりに合わせなければいけないという意識が最も危険です。
高山病の進行は個人によって差があるため、無理せず休み、場合によっては下山も考えましょう。遺伝的に高山病リスクが高いと判定された人は、とくに注意してください。

アルコール、睡眠薬、安定剤は睡眠中の呼吸状態を悪化させる可能性があるので、高所では控えるようにしましょう。
高所へ行く前に、高山病予防薬を服用しておくのも有効です。

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ジーンライフ ジェネシス2.0の高山病発症リスク検査結果
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高山病の発症しやすさは、GeneLife Genesis2.0(ジーンライフ ジェネシス)で検査できます。高所でリスクのある心筋梗塞や脳梗塞の発症しやすさも一緒に分かります。

高山病の発症は個人差によるため、あらかじめ自分の体質を知っておくことが有効です。高度の高い場所への旅行や登山を計画中の方は、一度検査しておくことをおすすめします。
遺伝的な発症リスクを知り予防しましょう!

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