
がん、心臓病とともに3大疾病のひとつとして知られる脳卒中。脳卒中による死亡者は年間11万人にものぼり、日本人の3大死因のひとつとされています。
脳卒中の発症しやすさには、7つの遺伝子が関係しています。脳卒中の原因と関連遺伝子、予防と対策についてご紹介します。
脳卒中(脳梗塞)の発症には遺伝子が関係している
脳卒中とは
脳は生物にとって最も大事な臓器です。脳にはたくさんの血管が走っており、血液によって酸素や栄養を供給することで動いています。
もし脳の血管に異常が起き、脳に酸素・栄養が送られなくなると、脳が働けなくなってしまいます。これが脳卒中です。
発生した箇所によって症状が異なり、大脳に障害が起きた場合、運動麻痺や感覚障害、言語障害が起きます。 小脳や脳幹に障害が起きると、ふらつきや複視(物が二重に見える)、意識障害が起きます。
脳卒中の種類
脳卒中とひとくちに言っても、症状によっていくつかの種類に分かれます。
脳梗塞
脳の血管が詰まって起きるのが脳梗塞といわれるタイプです。栓子(詰まる要因になるもの)の違いによって病名が変わります。
- 脳塞栓(のうそくせん)
- 心臓にできた栓子が移動し、脳の血管を塞ぐこと。
- 脳血栓(のうけっせん)
- 動脈硬化のため血小板が固まって血栓となること。
脳出血
血管が破れて出血するのが脳出血です。脳溢血(のういっけつ)ともいい、脳内への出血と脳外部への出血で分けられます。
- くも膜下出血
- 脳を覆う3層の髄膜のうち、2層目の「蜘蛛(くも)膜」と3層目の間に出血が生じ、脳脊髄中に血液が混入した状態。
- 脳内出血
- 何らかの原因で血管が破れ、脳内に出血している状態。脳出血というと、これを指すことが多い。
その他
- 一過性脳虚血発作
- 一時的に栓子が血管をふさいで起こる疾患。
- 脳腫瘍
- 脳の中にできた腫瘍が圧迫し、鋭い頭痛や吐き気などが起こる。
- 脳動脈癌(のうどうみゃくがん)
- 脳の血管(動脈)の一部がふくらんで弱くなる。くも膜下出血に繋がることもある。
- 脳動静脈奇形
- 脳の一部で、異常な血管を介して動脈と静脈がつながっている状態。けいれんを起こしたりする。
- もやもや病
- 脳の太い動脈が詰まり、それを補うため周囲の細い血管が発達する疾患。脳内血管を写した画像を見たとき、異常な血管網が煙のように見えることから名づけられた。
脳卒中にかかわる7つの遺伝子
脳卒中の発症しやすさには、7つの遺伝子が関係しているとわかっています。 遺伝子の働きが判明していないものもありますが、今後の研究によっていずれ判明するでしょう。
- PITX2
- ホメオボックスに属する転写因子を産生する遺伝子。成長ホルモン産生細胞の最終分化に関与することが知られている。
- HDAC9
- ヒストン脱アセチル化酵素の一種を産生する遺伝子。
- NINJ2
- 細胞表面の接着因子の一種を産生する遺伝子。傷ついた神経の周囲の神経突起の成長を促す働きがあると考えられている。
- ALDH2
- アルコール代謝の中間産物であるアセトアルデヒドを分解し、無毒化するタンパク質を産生する遺伝子。脳卒中の発症にもかかわる。
- ZFHX3
- 筋肉や神経への分化を調節する転写因子を産生する遺伝子。
- LLGL2
- 詳細な機能は不明。
- CELSR1
- 細胞間接着に重要なカドヘリンの一部であるフラミンゴ・ファミリーのひとつを産生する遺伝子。神経組織形成時の細胞間シグナル伝達に重要な役割を担うと考えられている。
脳卒中を予防するには
予防方法と対策
脳卒中にはたくさんの種類があるので、有効な予防方法も違います。自分の遺伝的な発症リスクにあわせて、起こりやすい疾患を対策しましょう。
血液の流れこそ最重要
脳卒中を引き起こす要因のひとつに動脈硬化があります。偏った食事や運動不足、ストレス、喫煙、過度の飲酒がリスク要因になります。
不整脈など、心臓の不調があると血栓ができやすくなり、脳梗塞につながる可能性があります。健康診断などで指摘を受けたことのある方は要注意。
肉の脂身や卵、バターなどの動物性脂肪やコレステロールの多い食品の摂取を控えるようにしましょう。アジやサバなどの青魚には、コレステロールを下げる効果があるので有効です。肉料理より魚料理の頻度を増やしましょう。
脳動脈癌リスクの高い方は要注意
脳動脈癌(のうどうみゃくがん)はそれ自体に致死性は無いものの、くも膜下出血など、重大な脳疾患を引き起こす前兆でもあります。
原因としては頭部への外傷、高血圧、動脈硬化、喫煙などが考えられますが、予防方法は確立されていません。
遺伝的に脳動脈癌の発症リスクが高い方は、脳ドックなどで検査してみることをおすすめします。
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遺伝的な発症リスクを知り、大病を予防しましょう!

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