
気道の炎症がもとで引き起こされる喘息(ぜんそく)。患者数は400万人を超えるといわれ、重症化すると死亡するケースもあります。
喘息の発症しやすさには、5つの遺伝子がかかわっています。 喘息の原因と関連遺伝子、予防と対策についてご紹介します。
喘息の発症には遺伝子が関係している
喘息とは
喘息は、気道の炎症により咳や痰(たん)、喘鳴(呼吸の際にぜいぜい、ひゅーひゅーなどの音がすること)、呼吸困難などを起こす呼吸器疾患です。胸の痛みやのどの違和感といった症状もあります。 気管支喘息ともいい、咳がでるだけの咳喘息というものもあります。
喘息の人の気道は症状が無くとも炎症を起こしており、健康な人に比べて気道が狭く、空気が通りにくくなっています。 炎症が起こっている気道はとても敏感になっており、ホコリやタバコ、ストレスなどのわずかな刺激で狭くなり、発作が起きてしまいます。
喘息の発作が原因による窒息死も発生することがあります。人口10万人に対して約1,500人と件数自体は多くないものの、普段の症状の重さに関係無いため、注意が必要です。
炎症の原因
喘息はアレルギー性のものと非アレルギー性に分かれています。 ダニや花粉などのアレルゲン(アレルギーを引き起こす物質)が原因で炎症ができるものがアレルギー性喘息で、アレルゲンの特定できないものが非アレルギー喘息です。
カゼやインフルエンザなどの感染症も、気道の炎症を引き起こす要因になります。
1960年代では全体の1%前後だった患者数も、現在は子どもで6%、大人で3%まで上昇しているというデータがあります。 これは家屋構造の変化によるアレルゲンの増加、排気ガスや工場排煙などによる大気汚染、食品や住宅建材などの化学物質、長時間勤務による過労やストレス増加、清潔すぎる環境(免疫仮説、乳幼児期の免疫未発達)などが要因と考えられています。
小児喘息と成人喘息
15歳未満の子どもが発症する喘息を小児喘息(しょうにぜんそく)といいます。子どもは気道が狭く、喘息の症状が出やすいのが特徴です。 小児喘息のほとんどはアレルギー性の喘息で、成長とともに治ります。
小児喘息が治らない、あるいは一度治ってから再発すると成人喘息です。成人喘息は非アレルギー性のものが多く、どういった状況で症状が出るのか、自分で把握しておくのが大事です。
喘息にかかわる5つの遺伝子
喘息の発症しやすさには、5つの遺伝子が関係しているとわかっています。 遺伝子の働きがわかっていないものもありますが、今後の研究によっていずれ判明するでしょう。
- LOC729675
- 遺伝子の特定には至っていないものの、喘息の発症に関連していると考えられている。
- TSLP
- 樹状細胞(免疫を担うT細胞を活性化する細胞)の成熟を促進するタンパク質を産生する遺伝子。
- NOTCH4
- notchファミリーに属するタンパク質を産生する遺伝子。細胞内シグナル伝達に関与することが知られている。
- LOC338591
- 研究中の遺伝子で、詳細な機能は不明。
- IKZF4
- イカロスファミリーに属する転写因子であり、リンパ球の発達に関与することが知られている。
喘息を予防するには
喘息の発症を予防するには、気道の炎症を防ぐのが大事です。遺伝的に喘息を発症しやすいと判定された人はとくに注意。
ストレスをため込まないようにし、十分な睡眠をとりましょう。 とくにタバコは厳禁です。タバコは副流煙(まわりに出る煙)の方が有害物質が多いため、家族や周囲の人に吸わないよう協力してもらいましょう。
アレルゲンを特定し、身の回りから取り除くことも重要です。医療機関でアレルギー検査をすれば、自分のアレルゲンが分かります。
喘息の発症しやすさがわかる遺伝子検査キット

喘息の発症しやすさは、GeneLife Genesis2.0(ジーンライフ ジェネシス)で検査できます。
原因となるアレルギー体質(アレルギーに反応しやすいかどうか)についても検査できるので、あわせてチェックしてみてください。 遺伝的な発症リスクを知り予防しましょう!

GeneLife Genesis 2.0 Plus(ジーンライフ ジェネシス プラス)
かかりやすい病気、太る要因、肌質、祖先のルーツ、お酒の強さなど、さまざまな病気・体質に関する項目を一度に検査できるキットです。 総合価格¥14,900