お酒を飲んだ後、すごくキツイ。あんなに飲まなければよかったと、飲み会の余韻にひたるとき。「飲めないのは、親に似たんだな」と思ったことはありませんか？

今回は「お酒の強さは両親から遺伝するのか？」という疑問。そして、肝障害発生のリスクについて調べたものをまとめてみました。

お酒の強さは遺伝する！？

お酒をたくさん飲める人、飲めない人と様々いますよね。これは、お酒に対する感受性が異なるために起こるものだったりします。

感受性の違いとは、すなわち体質の違い。つまり、両親からの遺伝がアルコール感受性に大きく影響しているということになります！ただし、両親からどの遺伝子を受け継いだかというのは目に見えて分かるものではありません。

お酒に強い遺伝子・弱い遺伝子とは、いったいどのような遺伝子のことを言うのでしょうか？

お酒の強さにかかわる遺伝子とは？

お酒の強さを簡単に言い表すなら、「いかに早くアルコールを体内から追い出すことができるかどうか」がすべて。アルコールの分解力が、お酒の強さにかかわってきます。

人間が体内でアルコールを完全に分解するためには、2つのステップがあります。そのうち、有毒物質アセトアルデヒドをいかに早く分解できるかがお酒への強さにかかわります。

まず最初に、アルコールを有毒物質であるアセトアルデヒドに分解していきます。

①アルコールをアセトアルデヒドに分解する遺伝子(ADH1B)

別名アルコール脱水素酵素といいます。お酒の主成分であるアルコールを有毒物質であるアセトアルデヒドに分解する役割があります。

この遺伝子が低活性型であれば分解力が弱く、高活性型であれば分解力が早くなります。しかし、低活性型はアルコールが分解されにくいので、有毒物質特有の気持ち悪さがなく飲みすぎてしまう傾向にあります。

次に有毒物質を無害化する必要があります。アセトアルデヒドが体内に残っていると、二日酔いや吐き気などの不快感の原因になります。

②アセトアルデヒドを酢酸に分解する遺伝子(ALDH2)

別名アセトアルデヒド脱水素酵素といいます。有毒物質であるアセトアルデヒドを無害な酢酸に分解する役割があります。

この遺伝子には分解力の強い「高活性型」。そして、全く分解できない「非活性型」に分かれます。非活性型の場合は有毒物質が全く分解できないため、アルコールに弱いということができます。

お酒に弱い人は肝脂肪が蓄積しやすい

ALDH2遺伝子が非活性。つまり、アセトアルデヒドを酢酸に分解する能力が弱ければ、アルコールを飲むかどうかにかかわらず肝脂肪が蓄積してしまいます。これは、アルコール性/非アルコール性肝障害の引き金となってしまいます。

もちろん、ALDH2遺伝子が高活性だったとしても、アルコールを飲みすぎたり食べすぎたりすれば肝脂肪が蓄積してしまいます。

他に遺伝する肝臓の病気はあるの？

肝脂肪を原因とするアルコール性/非アルコール性肝障害は、両親からのお酒の弱さが遺伝していることが1つの原因でした。そのほかにも肝臓がんなど、がんにかかりやすい体質であるかもしれません。

遺伝的にアルコールに強いかどうか、そして肝臓やその他の臓器の病気のなりやすさなど遺伝的な体質というものがあります。これらの体質について把握し、病気の予防に役立ててみるという方法もあります。

自分自身の遺伝的体質が調べられる検査キット

お酒の強さやがんのかかりやすさなど、あなたの体質に依存するものがあります。あなたがどのような遺伝子を持っているかを確認するには、遺伝子検査キットでの検査がおすすめです。

お酒の強さに関するタイプ分類

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