合併症に要注意!七大生活習慣病のひとつ2型糖尿病と14の遺伝子

インスリン注射

七大生活習慣病のひとつとして知られる糖尿病。中でも2型糖尿病は、遺伝子との関連が深い病気です。

糖尿病自体には命の危険こそないものの、深刻な合併症を引き起こす可能性があります。

2型糖尿病の発症しやすさには、14個の遺伝子が関係しています。
2型糖尿病の原因と関連遺伝子、予防と対策についてご紹介します。

2型糖尿病の発症には遺伝子が関係している

糖尿病とは

血液中にはブドウ糖が存在します。脳や筋肉を動かすためのエネルギーとなる栄養素で、ブドウ糖が無ければ人間は生きていけません。
(血液中のブドウ糖の割合を血糖値という)

しかし、ブドウ糖が多すぎるのも問題です。糖尿病は、血液中のブドウ糖が多くなることで発症する病気です。

糖尿病になると、のどが渇く、尿が多くなる(頻尿)、急激に痩せる、疲れやすくなるといった症状が出ます。

糖尿病の原因

食事をすると血糖値が上がります。上がり続けるだけでは誰でも糖尿病になってしまうので、これを抑える仕組みがあります。

膵臓(すいぞう)から出るインスリンというホルモンが、ブドウ糖を体内に取り込んで、エネルギーとして使えるようにしてくれます。
インスリンの働きによって、血糖値が高くなりすぎないようになっています。

しかし何らかの原因でインスリンが足りなくなると、血糖値が上がり糖尿病の原因となります。

糖尿病の種類:1型と2型の違い

糖尿病には、1型糖尿病と2型糖尿病という種類があります。
血糖値が上がることによる病気であることは共通ですが、これらは原因が違います。

1型糖尿病の原因

膵臓のβ細胞が壊れ、インスリンがまったく分泌されなくなることで発症するのが1型糖尿病です。年齢層としては、子どもや若年層に多い病気です。

β細胞が壊される原因は判明しておらず、ウイルスによるものと考えられています。
インスリンが無くては命の危険にかかわるため、インスリン注射が必要になります。

2型糖尿病の原因

2型糖尿病の原因は遺伝子にあります。遺伝的に糖尿病になりやすい人が、肥満・運動不足・ストレスなどでインスリンの効果が薄れたり、分泌が悪くなって発病します。

1型に比べると患者が圧倒的に多く、日本人の糖尿病患者の95%以上を占めています。

2型糖尿病にかかわる14の遺伝子

2型糖尿病の発症しやすさには、14の遺伝子が関係しているとわかっています。
遺伝子の特定に至っていないものもありますが、今後の研究によっていずれ判明するでしょう。

IGF2BP2
RNA結合タンパク質を産生する遺伝子。
CDKAL1
研究中の遺伝子で、詳細な機能は不明。
MIR129、LEP
GH070272という多型部位近傍にある遺伝子。2型糖尿病の発症に関連していると考えられている。
SLC30A8
亜鉛輸送体を産生する遺伝子。
CDNKN2A、CDKN2B
GH090219という多型部位近傍にある遺伝子。細胞周期の調節に関わり、2型糖尿病の発症に関連していると考えられている。
HHEX
ホメオボックスに属する転写因子を産生する遺伝子で、血液細胞の分化に関与していると考えられている。
TCF7L2
血液中のグルコースの恒常性維持に関与するタンパク質を産生する遺伝子。
KCNQ1
電位依存性カリウムチャネルの一種を産生する遺伝子。心筋の活動電位の再分極段階に関与することが知られている。
C2CD4B、C2CD4A
GH150222という多型部位近傍にある遺伝子。2型糖尿病の発症に関連していると考えられている。
SLC16A13
研究中の遺伝子で、詳細な機能は不明。モノカルボン酸の輸送にかかわるタンパク質を産生する遺伝子と考えられている。
DUSP9
タンパク質脱リン酸化酵素の一種を産生する遺伝子。シグナル伝達にかかわるタンパク質の脱リン酸化に関与すると考えられている。

糖尿病の恐ろしさは合併症にある

糖尿病自体はのどが渇いたり頻尿になるといった程度の症状なので、病気の自覚がないまま進行しがちです。
しかし血糖値が高いまま生活しているのは、健康とは言えません。さまざまな合併症を引き起こす危険と隣り合わせの状態です。

高血糖の状態が長期間続くと、細い血管の機能が悪くなります。とくに眼、腎臓、神経系で合併症が起こりやすいです。

糖尿病の代表的な合併症

糖尿病網膜症
網膜内の血管に障害が起こり、視力の低下や失明を招く病気です。
網膜の出血や白斑(はくはん)が起こり、小さい虫が飛んでいるように見える飛蚊症(ひぶんしょう)や、視野が狭くなるといった症状が出ます。
糖尿病腎症
腎臓は毛細血管の塊で、血液をろ過し老廃物を尿として排出する役割があります。しかし高血糖により腎臓の毛細血管に障害が起こると、ろ過の機能が低下します。
発症すると高血圧やむくみ、体のだるさや皮膚のかゆみ、手足の痛みなどが起こります。
タンパク質や塩分を制限した食事療法が必要になり、進行すると命の危険もあります。
糖尿病神経障害
細い血管に障害が起こり血流が悪くなると、神経細胞への血液の供給が途絶え、自律神経にも障害が起こります。
発汗異常、立ちくらみ、便通異常、膀胱障害、勃起不全などの症状が現れます。痛みを感じづらくなるため、ちょっとしたケガやヤケドに気づかず、壊疽(えそ)を起こして手足を切断しなければならないこともあります。

上記の他にも、脳梗塞、心筋梗塞、認知症、感染症などのさまざまな合併を引き起こす恐れがあります。
糖尿病に加えて、こういった合併症の遺伝的な発症しやすさが高い人は、とくに注意が必要です。

2型糖尿病を予防するには

2型糖尿病の最大のリスク要因は肥満です。肥満を解消することが2型糖尿病の予防に繋がります。適度な運動とバランスの良い食事を心がけましょう。
太りやすさに関する遺伝子もあるので、そちらの検査結果も合わせてダイエットの参考にしてみてください。

太っていない方でも、ストレスや運動不足、暴飲暴食などの生活習慣の乱れが続くと発症リスクが上がります。とくに糖尿病になりやすい遺伝的体質の人は要注意!

朝食を抜いたり、寝る直前に食事をするのは血糖値が乱れる要因なので気を付けましょう。

2型糖尿病の発症リスクがわかる遺伝子検査キット

ジーンライフ ジェネシス2.0の2型糖尿病検査結果
ジーンライフ ジェネシス2.0の2型糖尿病検査結果

2型糖尿病の発症しやすさは、GeneLife Genesis2.0(ジーンライフ ジェネシス)やMYCODE(マイコード)ヘルスケアで検査できます。
2型糖尿病の要因となりうる肥満遺伝子や、合併症である脳梗塞、心筋梗塞といった病気のかかりやすさも同時に検査できます。

遺伝的な発症リスクを知り、大病を予防しましょう!

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