
東京都の慶應義塾大学病院より、2018年6月から臨床研究によるがん遺伝子検査「PleSSision-Rapid」が開始されると公表されました。
検査の内容、検査費用がかからない理由や検査対象者などもあわせてご紹介します。
もくじ
臨床研究によるがん遺伝子検査開始
がんの原因と治療方法には、160の遺伝子が関係しています。遺伝子の変異によって、細胞が異常増殖し身体に支障をきたすのががんです。
慶應義塾大学病院では、がん患者から採取した検体からDNAを抽出し、がんの原因と有効な治療法を調べる臨床研究を開始します。
- がんゲノム医療
- 遺伝子検査によってがんの原因となる遺伝子を特定し、効果的な薬を選ぶ治療法。臓器別に薬を選ぶのに比べ、効く可能性が高い薬を予測できる。 検査で判明した、通常は使わない他臓器のがん治療薬を使用することにより、治療に成功した例もある。
自己負担無しの臨床研究「PleSSision-Rapid」
PleSSision-Rapidとは
慶應義塾大学病院では、自費診療(約77万円)でがんゲノム医療のための遺伝子検査「PleSSision(プレシジョン)検査」が行われています。
6月から始まる新しい検査は「PleSSision-Rapid(プレシジョン・ラピッド)」と呼ばれています。
PleSSision検査は血液とがん細胞のDNAを検査しますが、PleSSision-Rapidはがん細胞のDNAのみを検査します。 さらに、解析機器で遺伝子を読み込む回数を従来の半分にし、手順も効率化した簡易検査が考案されました。遺伝子検査の効率化を目指したのがPleSSision-Rapidです。
遺伝子変異の有無は確定できませんが、変異の疑いが高速で判定できます。(rapidは英語で「速い」という意味)
自己負担がかからない理由
がん治療に有効な遺伝子検査ですが、保険適用できないため費用が高額になるのがデメリットでした。
現在行われている「PleSSision検査」は患者の自費診療ですが、「PleSSision-Rapid(プレシジョン・ラピッド)」は臨床研究です。
臨床研究は「医学研究」なので、患者の自己負担はありません。
- 臨床研究
- 病気の原因や解明、予防・診断・治療の改善、患者の生活の質の向上など、実際に医療現場に関連する応用的な研究。 研究時にわかったさまざまな事柄が、将来的な医療に役立てられる。
検査費用無料で大丈夫?
PleSSision検査では血液とがん細胞のDNAを検査しますが、PleSSision-Rapidはがん細胞のDNAのみ検査します。
一度に多くの検体を検査できる大型機器を使用するため、解析精度を落とさずにコストダウンできます。そのため限られた研究費でも、多くの患者を検査できます。
なにより臨床研究の目的は今後の医療のための「研究」なので、そもそも営利が目的ではありません。
遺伝子検査の費用は無料ですが、検査以外の治療や手術に関しては、従来通りの保険診療です。
PleSSision-Rapidの対象者
今回の研究は、がんと診断された20歳以上の患者で、これから慶応大学病院で手術を受ける患者のみが対象です。
がんの発生原因と考えられる遺伝子の変異を調べることが目的なので、発症していない人は対象ではありません。
がんの発症にかかわる遺伝子や、かかっているかどうかを調べる検査ではありません。
がんにかかるかどうか気になる人は
近年、進歩の目覚ましいがんゲノム医療ですが、やはりがんにはかからないのが一番です。
遺伝子検査キットであれば、がんの発症に関係する遺伝子を検査し、どんながんにかかりやすいか知ることができます。 自分がなりやすいがんの種類を知っておけば、予防や早期発見につなげることができます。
がんの発症しやすさだけでなく、七大生活習慣病をはじめさまざまな病気のかかりやすさもわかります。 太る要因や遺伝的な肌質、祖先のルーツ、お酒の強さ、記憶力や情報処理速度、身体能力、寿命の長さなどもわかります。
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