ヒトの全ゲノム情報を活用したサービス普及を目指すAwakens(アウェイクン)とは?

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以前の記事で、近い将来に全ゲノム検査が当たり前の時代になる可能性について紹介しました。全ゲノム検査とは、人間が持つ遺伝子(ヒトゲノム)の全てを検査することをいいます。全ゲノムを検査すれば、疾患のような特定のジャンルに限らず学習能力やスポーツ能力など、個人の持つ様々な遺伝子についてその特性を調べることができます。

このような将来に向けて、全ゲノム検査に着目したサービス提供やその環境づくりのためのプラットフォームを目指す企業があります。それは、ゲノムスタートアップ企業として知られるAwakens(アウェイクン)です。

Awakens(アウェイクン)が目指しているもの

Awakens(アウェイクン)という会社が目指すものは、企業ホームページに見られるVision(将来像)から見えてくるものがありました。この企業は「生命をデジタル化し、未知の課題を解決する」ことを掲げています。また、これを果たすためのMission(使命)として、次の2つが挙げられています。

Awakens(アウェイクン) ロゴ画像
  • 誰もがゲノムデータを持ち、信頼できる情報とサービスにアクセスできる
  • 誰でもゲノムデータを活用した信頼できるサービス開発ができる

将来的に訪れる全ゲノム時代の到来に向け、個人の遺伝子を”見える化”できる手段。そして、その全ゲノムデータを安全に活用するためのサービス基盤の構築を目指していることが読み取れます。この2つのMission(使命)を果たすため、Awakens(アウェイクン)は次の2つのサービスを発表しています。

自分自身の全ゲノム情報を閲覧できる「GENOMIC EXPLORER」

GENOMIC EXPLORER イメージ画像

GENOMIC EXPLORER」は自分自身の全ゲノム情報を”見える化”するためのサービス。このサービスでは自分自身の全ゲノム情報をサービスサイトにアップロードすることで、全ゲノム配列を視覚的に閲覧することができます。

表示される全ゲノムデータはGoogleマップのようなイメージ。自分の遺伝子情報が地図のように広がっていて、特定の役割を持つ遺伝子にピンが立っている見た目。このピンのある所には、その遺伝子に関する研究論文を読み込むことができ、個人が関心を持つ情報をいつでも知ることができるのが強みです。

また、将来的には全ゲノム情報を個人の知識として蓄えておくだけにはとどまりません!Awakens(アウェイクン)は、自分自身のゲノム情報を他のサービスで活用することまで考えているのです。

全ゲノム情報を安心して活用するための「GENOME LINK」

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GENOME LINK」は、全ゲノム情報を活用したサービス提供を行うためのプラットフォーム(環境)のことです。企業がGENOMIC LINKのプラットフォームを用いた開発を行えば、全ゲノム情報を活用したサービスを簡単に提供することができるようになるというわけです。

そもそもこのような遺伝子情報を蓄えるデータベースの構築からセキュリティ保全のようなサービス環境をゼロから作り上げるには、数千万円規模の莫大な費用がかかります。GENOME LINKでは、遺伝子情報を蓄えるデータベースやセキュリティシステムの構築をAwakens(アウェイクン)が担っています。

GENOME LINK利用する企業は、サービス開発だけに注力することができるのでコストを数十万円まで削減することができます。情報管理を気にせず安心して、全ゲノム情報を用いたサービスに参入できるというわけです。

あとは全ゲノム時代到来を待つのみ!

今はまだ遺伝子検査費用の面から、特定機能を持つ遺伝子のみに絞った遺伝子検査が主流です。特に最近は家庭で簡単に試料採取のできる遺伝子検査キットの普及が進んできました。この遺伝子検査キット自体も検査技術の進歩から生まれたサービスです。

近い未来なのか遠い未来なのか分かりませんが、検査技術の進歩も着実に進んでいます。いずれ来る全ゲノム時代の到来により、これらのサービスが世に普及していくことが楽しみでしかたありません。