
葉酸は細胞分裂や体の発育に必要な栄養素です。 母子健康手帳にも葉酸に関する記述があり、妊娠・出産には不可欠な存在です。
葉酸とはどんな栄養素か?体にどういう影響を与えるのか?遺伝子との関係も交えてご紹介します。
妊娠期に重要な葉酸
葉酸とは
葉酸は、水溶性(水に溶ける)ビタミンのひとつでビタミンB群に属しています。 ほうれん草などの緑の葉に多く含まれることから、葉酸と名付けられています。
葉酸は「造血ビタミン」とも呼ばれており、ビタミンB12とともに血液(赤血球)を作ります。
DNAやRNAなどの核酸やタンパク質の合成も行うので、体を作るのに重要な栄養素です。
妊娠中に欠かせない栄養素
母子健康手帳にも葉酸に関する項目があるとおり、赤ちゃんの発育に必要不可欠です。
通常、1日に必要な葉酸は240μg(マイクログラム)とされていますが、妊娠中は2倍の480μg以上摂ることが必要とされています。
葉酸が不足すると?

葉酸が不足すると、ホモシステインという悪玉アミノ酸が増加します。
通常、ホモシステインは葉酸の働きによって「メチオニン」という物質にリサイクルされます。
メチオニンとホモシステインは交互に代謝を繰り返すようになっていますが、葉酸が不足するとこの働きが弱くなります。
リサイクルされなかったホモシステインが血液中に溜まっていき、コレステロールに付着して血管にさまざまな不具合を起こします。 動脈硬化や脳梗塞、認知症、心筋梗塞、骨折、高血圧、巨赤芽球性貧血(きょせきがきゅうせいひんけつ)などの要因になります。
奇形や未熟児になる恐れも
妊婦の葉酸が不足すると、胎内の赤ちゃんの発育に悪影響を及ぼします。
葉酸は細胞増殖や臓器の形成に不可欠で、妊娠初期に不足すると胎児の神経組織が発達しないことがあります。
脳の一部あるいはすべてが欠けている「無脳症」や、脊髄(せきずい)が皮膚の外に飛び出す「二分脊椎(にぶんせきつい)」といった障害を持って生まれる可能性があります。
遺伝的に葉酸不足やホモシステイン高値になりやすい人

葉酸やホモシステインの代謝には、遺伝子がかかわっていることがわかっています。
日本人の約30%は葉酸代謝リスクの比較的低いタイプですが、残り約70%は葉酸が不足しやすい体質であるといわれています。
血液検査で現在の葉酸値を量ることはできますが、生まれ持った葉酸代謝を知るには遺伝子検査しかありません。
葉酸不足を解消するには
- ほうれん草
- オクラ
- モロヘイヤ
- 枝豆
- アサリ
- 牡蠣(かき)
- シジミ
- ブタレバー
- マグロ
- カツオ
- サンマ
- ニンニク
緑黄色野菜や魚介類に多く含まれている傾向があります。
葉酸は熱に弱く、調理に際して50%が分解するか、水に溶けて失われてしまう恐れがあります。
上記の食品で必要量を補う場合、例えばほうれん草では400g(約2束)、マグロで1.2kg食べなくてはいけません。
これだけの量を摂り続けるのは大変なので、葉酸サプリメントを使うという手もあります。

遺伝子検査で葉酸が不足しやすいと判定された人は、日頃から葉酸を多く含む食べ物を意識しましょう。 サプリメントなら手軽に1日分を摂取できるので、野菜や魚介類が苦手な人は有効活用しましょう。
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