ハプログループGはATP変換率が高く長距離競技が得意な北方民

シベリアの雪原

ハプログループGに分類される人は、北国と深いかかわりがあります。日本人の約7~10%が属しており、長距離アスリートに多いという特徴がみられます。

ハプログループGの特徴

シベリアから日本へやってきたグループ

ミトコンドリア・ハプログループG

ハプログループGはグループMを祖先にもち、オホーツク海周辺の民族に多く見られるグループです。約3万年前、最終氷期の最寒期以降にシベリアで誕生したとされ、旧満州、朝鮮半島、中国や中央アジアを移動して日本にへ入ってきたと考えられています。

北国に生きた民族

北方で誕生したハプログループGの人々は、南方への進出が少なく、極東地方に多く分布していることから、極寒地を中心に生活していたと考えられています。

アイヌ、日本人(とくに北海道)、モンゴル人、チベット人に多く見られ、東アジア・中央アジアの民族、バングラデシュ、ネパールでも発見されることがあります。カムチャッカ半島や北シベリアの先住民に多く、アメリカ先住民からは全く発見されていないのも特徴的です。

ATP変換率が高く長距離アスリートが多い

ハプログループGは長距離アスリートに多いという研究結果があります。オリンピックに出場した日本人141名の遺伝子を検査したところ、グループGが多いという結果が出ました。

ATP(アデノシン三リン酸)という体内エネルギーのもとになる物質があります。ATPはエネルギーを要する体の働きで必ず使用される物質で、運動能力にも関わってきます。
ミトコンドリアにはATPを作る機能と熱に変換する機能があります。人が食事から得たエネルギーの4割程度をATPに変換し、残り6割を熱に変換します。ハプログループGの人はATPの変換率が高い傾向にあり、とくに有酸素運動で力を発揮すると考えられています。
寒冷な地域で生きるために、エネルギー効率が良くなるよう遺伝子が体を適応させていったのでしょう。

北海道の縄文人骨から検出

北海道から出土した、約1万2千~2万3千年前の縄文人骨54体を解析したところ、約10%がハプログループGに属していると分かりました。

また、関東の縄文人骨からはほとんど検出されないハプログループN9bについても、北海道・東北の集団では6割以上という高頻度で検出されました。
暖かい地域へ進出せず、あえて寒冷な地を好んで暮らしていた人々と考えることもできます。


日本人の大半は9~10のハプログループに分類できます。中にはもっと珍しいグループに属している人もいます。
あなたも長距離アスリート体質で北方民の血を引くグループGに属しているかもしれません。

ハプログループがわかる遺伝子検査キット

ミトコンドリアハプログループはジーンライフ ジェネシス2.0やジーンライフ ハプロなどの遺伝子検査キットで調べることができます。
とくにジェネシスは母方の祖先を知るミトコンドリアハプログループの他に、父方の祖先がわかるY染色体ハプログループも検査できるのでとくにおすすめです。

※Y染色体は男性特有のもので、女性はY染色体ハプログループがありません。

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