ハプログループM9はチベットの険しき山々を越えてきた人々

チベットの山岳地帯

ミトコンドリア・ハプログループM9は山岳地帯、とくにチベットとつながりの深い人種です。日本では比較的珍しいグループで、約3%が属しています。

ハプログループM9の特徴

チベットからやってきた人々

ハプログループM9

ハプログループM9は約3~4万年前にヒマラヤ・チベットで誕生したグループです。ハプログループL3から分岐したグループMは、もうひとつの分岐先であるハプログループNとともに出アフリカを果たし、ユーラシアやオセアニア、アメリカ大陸など世界各地へ広がりました。

グループM9はさらに分岐した子グループのひとつで、チベット高原付近に多く分布しています。
チベットから南下し、インドシナ半島から中央アジア、東アジアに広がっていき、朝鮮半島を経由して日本へ来たと考えられています。

信心深い山の民

ハプログループM9はチベットで多く見られます。ユーラシア大陸中央部に広がる世界最大級のチベット高原があり、世界最高標高のヒマラヤ山脈をはじめ、険しい山々に囲まれた地域です。

チベットは仏教が深く根付いています。いわゆるチベット仏教に関する寺院が、山岳地帯に数多くあります。
聖地といわれるカイラス山は信仰の対象となっており、通常では登頂の許可が下りません。かつて聖者ミラレパ(1052-1135年)が山頂に達したと言われており、聖地カイラスには巡礼の文化が残っています。
4万年もの昔からチベット仏教があったわけではありませんが、彼らの祖先が雄大な山々を神聖なものとみなしていても不思議ではありません。

ハプログループM9は日本へ到達した割合も少なく、あまり広い地域へ拡大したグループではありません。それは険しい山を越えなければ他の地域へ進出できないという地形的な問題もありますが、深い信仰心から山々を離れなかったのかもしれません。


日本人の大半は9~10のハプログループに分類できます。中にはもっと珍しいグループに属している人もいます。
あなたもチベットの壮大な山々を越えてきたグループM9に属しているかもしれません。

ハプログループがわかる遺伝子検査キット

ミトコンドリアハプログループはジーンライフ ジェネシス2.0やジーンライフ ハプロなどの遺伝子検査キットで調べることができます。
とくにジェネシスは母方の祖先を知るミトコンドリアハプログループの他に、父方の祖先がわかるY染色体ハプログループも検査できるのでとくにおすすめです。

※Y染色体は男性特有のもので、女性はY染色体ハプログループがありません。

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